実印と銀行印を一緒にしてはいけない理由とは？

銀行で使用する銀行印を実印と一緒にしてはいけないのは何故なのか、分かりやすく解説しています。銀行印の正しい作り方も併せて紹介していますので、参考にご覧ください。

なぜダメなの！？実印と銀行印を併用してはいけない恐怖の理由とは

銀行で口座を開設する際、必ず印鑑の登録が必要になります。

これは、個人情報などの登録情報の他に、銀行印の印影によって本人かどうかを確認するためです。

銀行印は口座を開設した後も、窓口での預金取引、名前や住所の変更、改印の届け出、紛失・盗難の申請、口座が必要な金融商品の購入などの場面で使用するため、比較的使用頻度が高い印鑑です。

銀行で銀行印を登録する際には、シャチハタのようなインク浸透型の印鑑以外であれば、どのようなものでも銀行印として登録することができるため、市区町村に登録済みの実印を使用する方もいらっしゃいます。

しかし、銀行印として実印を使うことは、絶対にしてはいけません。

実印というのは、本人の証明として使用される公的に認められた印鑑で、自分の分身とも言える重要なものですが、主な使い道としては、不動産や車の売買といった大きな金額の契約、法的に認められる公正証書の作成など、一部の場面に限定されます。

これは、認印の押印や署名以上に実印の効力が大きいため、ここぞという重要な場面でしか使用しないということです。

実印をたくさん使用すれば使用するほど、外部に自分の実印の印影が漏れることとなりますから、その分偽造などのリスクが高まることになります。

もし、実印を銀行印として使用していたら、盗難など万が一のトラブルに合った場合に自分になりすまして契約などができるだけでなく、銀行の預金も引き出せることになってしまいます。

また、盗難されると銀行印の改印が必要になるだけでなく、実印自体を破棄し、新しい実印を作って登録情報を変更しなければならなくなります。

ですから、実印は銀行印とは分けて作り、使用することが大切なのです。

実印とは別に銀行印を作る場合、どのような印鑑を作れば安全に預金を守れるのか、気を付けたいポイントと共に解説していきたいと思います。

認印は使用頻度が高い印鑑のため、約10～11mmの使いやすいサイズで作られることがほとんどです。

実印は登録サイズに制限があるため、どのような方でも13.5mm以上のサイズになります。

銀行印は特別サイズに決まりはありませんが、自分がサイズを見ただけでどの印鑑なのかを判別できるように、認印よりも大きく実印よりも小さいサイズで作るのがオススメです。

一般的には、女性12～13.5mm、男性13.5～15mmを選ばれることが多いですよ。

銀行印は大切な預金に関する印鑑ですから、実印と同じく、偽造などの悪用がされにくいように作るようにします。

印鑑の書体には様々なものがありますが、「篆書体」「印相体」「吉相体」といった読みづらい書体を使うと良いでしょう。

複雑であればあるほど、誰の銀行印か判断しづらくなりますし、偽造の手間もかかるため、悪用されにくくなります。

多くの方が考える印鑑のイメージは「苗字のみ」が彫刻されているものですが、同じ姓を持つ方が多いため、実は意外にも苗字だけの印鑑は危険性が高いものです。

そのため、名字のみよりも合致する可能性が低くなる「下の名前」や「フルネーム」での彫刻で登録をした方が安全性が高くなります。

また、女性の場合は結婚・離婚などで苗字が変わる可能性がありますが、下の名前で印鑑を作っておけば改印届けの必要がなくなるため、手続きの手間が省けるというメリットもあります。

※下の名前やフルネームの印鑑は、銀行印に限らず実印・認印としても使えますので、セットで購入する場合には揃えて作っても問題なく使用できます。